抄録
前交通動脈瘤のクリッピング術にはpterional approachとinterhemispheric approachがあるが, われわれはほぼ全例で後者を選択している. Interhemispheric approachでは, 複雑な前交通動脈の解剖学的構造を直視下に確認することが可能であり, 理想的なclosure lineでのクリッピングが可能である. 強固に癒着した半球間裂の剥離は難易度が高く, 前頭洞の処理や嗅神経の保護など留意すべきポイントがいくつか存在する. 無血で半球間裂の剥離を行うためには, 十分な術野展開を行い, 切離すべき対象物を視認することが必須である. 日頃から美しい術野の形成を心がけ, 技術の向上に努めることが重要である.