脳神経外科ジャーナル
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症例報告
異なる治療選択により良好な転帰が得られたvertex epidural hematomaの3例
臨床経過および治療の多様性の検討
川口 奉洋平野 孝幸川瀬 誠刈部 博
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2013 年 22 巻 12 号 p. 942-947

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抄録
 Vertex epidural hematoma (EDH) は通常の急性硬膜外血腫のような巣症状や脳ヘルニア徴候をきたすことは少なく, 特異的な臨床症状を欠くまれな病態である. その臨床経過は, 緩徐に増悪する場合や自然軽快する場合など多岐にわたる. 今回われわれは, 異なる臨床経過をたどったvertex EDHの3症例を提示した. 1例目は神経症状が緩徐に増悪し手術を要した. 2例目は入院時意識障害を認めたが, その後急速に状態が改善し手術を要さなかった. 3例目は画像上の圧迫所見を認めたが神経症状を欠き, 保存的に加療した. 神経症状の増悪因子や手術適応についてのコンセンサスは得られておらず, 最適な手術時期を逃さないために厳重な経過観察を要すると考えられた.
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© 2013 日本脳神経外科コングレス

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