脳神経外科ジャーナル
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特集 良性腫瘍の診断と治療
下垂体腺腫に対する薬物療法
現状と課題
富永 篤木下 康之碓井 智栗栖 薫
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2013 年 22 巻 2 号 p. 101-108

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抄録
 非機能性下垂体腺腫に対する治療の第一選択は手術であるが, 機能性下垂体腺腫では有効な薬物療法があり, 手術が必ずしも第一選択ではない. プロラクチノーマではdopamine agonistによる治療がすでに第一選択となっている. ただ, プロラクチン正常化率は高いが治癒率は必ずしも高くない.
 先端巨大症ではsomatostatin analogやpegvisomantなど有効率が高い薬剤があるが, 根治できないことが課題である.
 クッシング病は高コルチゾール血症が生命に関わる疾患である. Mitotane, methyraponeといった薬剤で高コルチゾール血症はコントロールできるが腫瘍に対する有効な薬物療法がない.
 また, 異形成下垂体腺腫や下垂体癌などでは決定的な薬物療法はなく, temozolomideによる治療が試みられている.
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© 2013 日本脳神経外科コングレス

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