脳神経外科ジャーナル
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特集 良性脳腫瘍の基本的治療方針—機能温存のために—
聴神経腫瘍手術
手術適応と機能温存
河野 道宏
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2014 年 23 巻 1 号 p. 20-28

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抄録
 聴神経腫瘍の手術は, 腫瘍の摘出とともに顔面神経機能や聴機能の温存が求められる. 放射線治療が確立している現在, 手術適応について厳密さを求められるようになっている. 現在, コンセンサスが得られている手術適応は, 脳槽部25∼30mm以上の大きさの腫瘍や嚢胞性の腫瘍, 若い患者の聴力温存目的のケースや成長速度の速い腫瘍であると考えられる. 聴神経腫瘍手術における機能温存のための重要なポイントとして, 外側後頭下到達法, 機能温存のために必ずしも全摘に固執しないポリシー (内耳道内は全摘), 持続顔面神経モニタリング, 内耳道後壁の十分な開放, 腫瘍摘出の7つの進入路, 腫瘍の串刺し, 止血のテクニック等であると考えている.
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© 2014 日本脳神経外科コングレス

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