脳神経外科ジャーナル
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特集 アプローチの基本と応用
Microscopic transsphenoidal approachの基本と応用
西澤 茂高橋 麻由山本 淳考
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2014 年 23 巻 10 号 p. 776-784

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抄録
 経蝶形骨洞アプローチによる手術は下垂体腫瘍やラトケ囊胞などのトルコ鞍内から鞍上部に進展する病変に対して最も一般的に用いられる手術法である. もともとHardyによって開発, 確立された方法はmicroscopic sublabial transsphenoidal approachであったが, その後transnasal approachや内視鏡支援手術, さらには近年では内視鏡単独でのapproachが広く行われるようになってきた. 本稿では, microscopic transsphenoidal approachのsublabial approachとtransnasal approachについて復習の意味でstep by stepに解説した. またこうしたapproachにおいても内視鏡支援の手術が一種の応用として行われているので, その利点についても解説した. 再発下垂体腫瘍に対する経蝶形骨洞手術は初回手術によって正中構造物がすでに失われているので, その手術においては特別な配慮をしてapproachを行わなければならない. 再手術におけるtipsについても解説を加えた. いずれのapproachにおいても, 利点, 欠点が存在する. その利点, 欠点を十分理解したうえで, 熟練した術者が経蝶形骨洞手術を行えば, 個々のapproachの優劣については論じる必要はないと思われる.
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© 2014 日本脳神経外科コングレス

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