2015 年 24 巻 5 号 p. 318-326
三次元コンピューター技術の進歩は, 手術のプランニング, シミュレーション, ナビゲーションの領域で技術革新をもたらしたが, 本論文ではわれわれの脊椎外科分野における取り組みを紹介する. 脊椎固定術において, 術前に3Dビューワーでスクリューの設置部位を決定し, 3Dプリンターで椎弓に密着するスクリューガイドテンプレートを作成, 術中に正確なスクリュー誘導を実施している. また, 工業用モデリングソフトと3Dチタンプリンターを使用して新規のオーダーメイド脊椎制動具を開発し, 臨床試験に向けて準備中である. これらは医工連携により実現したプロジェクトであり, 今後も産学官が一体となった取り組みが必要である.