脳神経外科ジャーナル
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症例報告
血管内治療と二期的摘出術が有用であった大型・hypervascular聴神経腫瘍の1手術例
高橋 和孝松本 康史山口 卓小野 隆裕小田 正哉笹嶋 寿郎清水 宏明
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2015 年 24 巻 8 号 p. 544-550

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抄録

 大型でhypervascularな聴神経腫瘍は摘出術のリスクが高い. 今回塞栓術と二期的摘出術を施行して良好な結果を得た1例を報告する.
 症例は31歳, 男性, 家族性神経線維腫症Ⅱ型 (neurofibromatosis 2), 13年前に右聴神経腫瘍を手術した. その後左聴神経腫瘍が増大, 左聴力消失, 歩行障害をきたし, 1年前に摘出術を行った. 術中出血のため部分摘出を行い, 一時小脳症状は軽快したが, 再度悪化し今回の手術となった. 腫瘍は7cmで脳幹を強く圧排, 腫瘍内動静脈シャントを有した.
 液体塞栓物質を用いての塞栓術後, 二期的に亜全摘術を行い, 術後経過良好であった. 大型でhypervascularな聴神経腫瘍では, 塞栓術と二期的手術が有用な選択肢である.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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