脳神経外科ジャーナル
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特集 出血性脳血管障害
脳動脈瘤に対する血管内治療の戦略と手技
松丸 祐司天野 達雄佐藤 允之
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2016 年 25 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

 脳血管内治療は脳動脈瘤に対する低侵襲治療である. この治療は, 企業が開発し供給する多くのデバイスにより普及し, 治療成績を向上させてきた. 瘤内コイル塞栓術は, 紡錘状動脈瘤, 部分血栓化動脈瘤, 巨大動脈瘤を除くほとんどの動脈瘤に適応となる. ステントはワイドネック型動脈瘤に併用され, その再開通・再治療を減少させるが, 虚血性合併症を増加させる可能性がある. 紡錘状動脈瘤, 部分血栓化動脈瘤, 巨大動脈瘤に対してはコイルによる母血管閉塞が適応となる場合がある. バルーン閉塞試験はそれに先立つバイパス手術の適応の判断に有用である. 血流改変ステントは新たに開発されたデバイスで, 動脈瘤のネック部を含む母血管に留置することにより, 動脈瘤の血栓化とそれに引き続く内皮化を促し, 内頚動脈近位部の大型ワイドネック動脈瘤に適応となり, 本邦でも導入された.

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© 2016 日本脳神経外科コングレス
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