抄録
山梨では,ワインが貴重な地域観光資源として注目されているが,それを十分には活かしきれていないのが現状である.そのような中,2008年から「ワインツーリズムやまなし」が開催され,今では2,500人ほどの参加者が集まる規模となっている.ワインツーリズムの開催は,直接あるいは間接的にワイン消費を増加させ,さらに飲食や宿泊などの付随サービス消費も生じさせる.本研究では,ワインツーリズムがもたらす各消費の増大による経済効果を,経済波及的な影響も含めて計測可能な経済モデルを構築した.具体的には,旅行・観光サテライト勘定(TSA)を組み込んだ空間的応用一般均衡(SCGE)モデルを開発し,それを用いてワインツーリズムやまなしの経済効果の計測を行った.