2016 年 25 巻 11 号 p. 905-911
光線力学的療法 (photodynamic therapy : PDT) は, 光増感剤の腫瘍集積性と励起用レーザー照射後の光化学反応を利用し, 腫瘍細胞選択的な効果を得ようとする手法である. PDTではレーザー光が直接腫瘍組織に作用するのではなく, 光エネルギーを吸収して励起状態 (一重項状態) に遷移した光増感剤が基底状態に戻る際のエネルギー転換により一重項酸素 (活性酸素の一種) が発生し, その強力な酸化作用が腫瘍組織内の光増感剤周囲のごく限られた範囲に短時間作用することで腫瘍組織選択的効果が得られる. この稿では, 原発性悪性脳腫瘍に対するPDTに使用する光増感剤タラポルフィンナトリウム, 励起用レーザーに焦点をあて, 概説した.