2016 年 25 巻 11 号 p. 912-921
悪性神経膠腫に対しての標準治療法に加え, 血管新生阻害剤であるベバシズマブ (bevacizumab : Bev) が新たな治療法の1つとして期待が高まっている. 今回, われわれは画像所見よりBev治療による効果判定および予後予測について紹介し, 現状と課題について概説した.
MRI画像による有用な評価として, ①凝固壊死による石灰化および血管の硝子化変性を示すDWIの早期高信号, ②腫瘍内異常血管の正常化を示すperfusion MRIのCBV低下.
PET画像による評価として, ①FETおよびFDOPAはBev治療非反応群をMRI検査より早期に診断可能, ②血管透過性と関連があるFLTは, 集積低下の評価に注意が必要, ③VEGF発現と関連するFMISOの集積低下は治療効果判断に期待.
以上, Bev治療効果の判断には, これまでのMRI画像評価に代謝と関連したMRI検査やPET検査を加えることで総合的に比較検討することが大切である.