2020 年 29 巻 9 号 p. 625-633
t-PA静注療法の認可を受けて, 米国ではt-PA静注療法を適正に使用できる施設を認証することの重要性が認識され, t-PA静注療法の普及・整備を目的とした, 一次脳卒中センターの要件が策定され, さらに一次脳卒中センターよりも高度な脳卒中医療を施行できる施設として, 包括的脳卒中センターの要件が発表された. J-ASPECT studyでは, 日本における包括的脳卒中センターの推奨要項に関する充足度, および依然として厳然と存在する地域格差について明らかにした. また包括的脳卒中センターの推奨要項の充足度 (CSC score) が, 脳卒中治療におけるアウトカムの改善に関係することを示した.