脳神経外科ジャーナル
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症例報告
キアリ奇形Ⅰ型を伴った頭蓋骨幹端異形成症に対し, 大後頭孔減圧術 (foramen magnum decompression : FMD) が奏効した1例
伊藤 圭志波多野 寿
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 30 巻 7 号 p. 539-544

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抄録

 頭蓋骨幹端異形成症は頭蓋骨の骨化過剰と長管骨の骨幹端の拡大を特徴とする遺伝性骨硬化性疾患で, その中でもキアリ奇形Ⅰ型を合併した例はまれである. 今回頭蓋骨幹端異形成症にキアリ奇形Ⅰ型を合併した1例を経験したので報告する. 症例は15歳男児で, 脊椎側弯症のフォロー中にMRIで小脳扁桃の下垂と脊髄空洞症を指摘され, 当科へ紹介された. 四肢の温痛覚障害および腹壁反射の消失を認めたが, 明らかな運動麻痺は認めなかった. 後頭下開頭およびC1椎弓切除による大後頭孔減圧術を施行し, 術後硬膜外血腫をきたしたため術後3日目に再手術を施行した. 術後は脊髄空洞症の改善を認めている.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス

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