2023 年 32 巻 3 号 p. 172-180
中枢神経胚細胞腫の診断, 治療は時代とともに変遷し世界的にも多様である. 診断では腫瘍マーカーと病理の解釈において日本と欧米で依然溝があり, ノンジャーミノーマの診断を腫瘍マーカー高値だけで行うこと, 病理診断の意義に議論が残る. 治療の枠組みは従来から日本では3分類, 欧米では2分類と異なり, ノンジャーミノーマ, 特に奇形腫やその混合性腫瘍の治療に対する違いがある. 日米欧の臨床試験の解析結果の注意深い解釈を行い, 今後の治療戦略を考える必要がある. また日本iGCTコンソーシアムのマルチオミックス解析によって見えてきた胚細胞腫のきわめてユニークな生物学的特性とその治療応用への道筋, 今後解明されるべき課題について考察する.