脳神経外科ジャーナル
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特集 小児
小児脳血管障害
―病態と治療―
菱川 朋人伊達 勲
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2023 年 32 巻 4 号 p. 229-236

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抄録

 小児脳血管障害は年齢の観点から周産期脳卒中と小児脳卒中に, 病態の観点から動脈性虚血, 脳静脈・静脈洞血栓症, 頭蓋内出血に分類される. 周産期脳卒中では動脈性虚血が多く, 小児脳卒中では頭蓋内出血が多い. 乳幼児もやもや病では脳梗塞の発症が多く予後不良であり, 手術待機中の脳梗塞発生の回避が課題である. 小児脳動脈瘤は内頚動脈終末部に好発し巨大動脈瘤が多い. 全身合併症, 紡錘状, 母血管閉塞は, 新生または増大の危険因子である. 小児脳動静脈奇形は成人と比較し出血率, 死亡率が高い. 摘出術は安全で消失率は高く, 定位放射線治療の効果は成人と同等である. 再発を検出するうえで小児では摘出後の長期の画像フォローが重要である.

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© 2023 日本脳神経外科コングレス
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