脳神経外科ジャーナル
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特集 悪性脳腫瘍1
高悪性度髄膜腫の治療
川端 信司宮武 伸一平松 亮野々口 直助古瀬 元雅鰐渕 昌彦
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2024 年 33 巻 2 号 p. 105-112

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抄録

 高悪性度髄膜腫は局所再発率が高く, 治療が難しい希少腫瘍である. 摘出手術は有効であるが効果は限定的で, 十分な有効性を示した薬物療法はない. そのため術後補助治療は放射線治療が主体となり, 50~60Gy以上のX線分割外照射が効果的とされている. 摘出後早期の照射も勧められ, 強度変調放射線治療 (IMRT) の安全性と有効性が示されている. 再発時の治療は難しく, 薬物療法の試験をレビューした報告からは再発からの6カ月無増悪率が26%と示された. 定位的照射や粒子線治療が試されているが, 無増悪生存期間が13.7カ月と報告されたホウ素中性子捕捉療法 (BNCT) による治療が注目され, 国内外から期待が寄せられている.

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© 2024 日本脳神経外科コングレス

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