腰椎椎間板ヘルニアの740症例に対する, microsurgical discectomyの経験をもとに,この病態におけるいくつかの問題点につき論じた.まず,腰椎椎間板ヘルニアの治療の原則は保存的療法であること,MRIにより脱出した椎間板へルニア塊が縮小,あるいは消失する症例が,かなり報告されるようになってきていることについて述べた.ついで,これらの知見を踏まえたうえでの手術適応につき述べた.腰椎椎間板ヘルニア摘出術については,まず,麻酔法につき述べ,ついで,下位腰椎椎間板ヘルニアに対する基本的手術操作のポイントにつき述べた.特殊な術式として,transdural approach,高位腰椎椎間板ヘルニアに対する手術法,外側型ヘルニアに対する術式のポイントにつき述べ,最後に再手術につき考察した.