最近われわれは,MR angiography (MRA)施行半年後に,前文通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を呈した症例を経籏したので,ここに報告する.症例は59歳,男性.主訴は意識障害.高血圧患者であったため,脳の器質的疾患を検索するため, 1994年3目,頭部MRl,MRAを施行したが,異常を認めなかった. 1996年には健忘症を主訴に,再良MRAを施行されるも動脈瘤は指摘されなかった.1996年3目,職場にて意識消失しているのを発見された.CT上,くも膜下出血を認め,血管造影にて前交通動脈瘤を認め,ネッククリッピング術を施行.術後経過は問題なく,独歩退院となった.retrospectiveに画像を評価すると,1996年のMRAの墓画像にて動脈瘤の存在が確認された.MRI装置を用いた動脈瘤の診断率の上昇には,MRAの画像診断のみではなく,MRAの墓画像,MRIを含めた脳血管の評価,また,three-dimensional CT angiographyの併用が好ましいと考えられた.
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