2020 年 45 巻 1 号 p. 7-12
目的:ゾレドロン酸(Zoledronic acid, 以下ZOL)5 mg年1回静脈注射の急性期反応(acute-phase response, 以下APR)発生率と2回目投与以降の中止理由について調査し,本剤の問題点を検討する.
対象と方法:56例(男性18例,女性38例)を対象とし,APRを認めた症例群(Acute群)とAPRを認めなかった群(Non-Acute群)に分け調査した.また,1年経過した36例の2回目ZOL投与の中止率と中止理由について調査した.
結果:APRは17.9%に認めた.Acute群(10例)とNon-Acute群(46例)の年齢,身長,体重については両群間に有意差を認めなかった.アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤などの解熱・消炎鎮痛剤の服用について,Acute群の方がNon-Acute群に比べ有意に使用率が低かった(P = 0.01).2回目ZOL投与の中止率は30.6%であった.主な理由として,通院困難11.1%,悪性腫瘍で死亡5.6%,循環器疾患の増悪5.6%,初回APRのため継続拒否であった.
結語:ZOL投与開始時には,APR予防のために解熱・解熱鎮痛剤を併用する必要があると考えられた.また,患者の基礎疾患や患者背景にも注意を払う必要がある.