認知心理学研究
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原著
形容詞-名詞句の意味表象の構造とその形成過程
藤木 大介井上 雅美中條 和光
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2007 年 4 巻 2 号 p. 49-56

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抄録

形容詞と名詞とからなる名詞句の概念表象は,形容詞のスキーマと名詞のスキーマとが結合し,形成される.例えば,典型名詞句“赤いリンゴ”の概念表象は,形容詞“赤い”が名詞“リンゴ”の色スロットのデフォルトの値“赤い”を上書きすることで形成されると考えられる.また,非典型名詞句“茶色いリンゴ”の概念表象は,“茶色い”が名詞の色スロットを“赤”から“茶”に書き換えることで形成されると考えられる.もしそうであるならば,典型名詞句と比較して,非典型名詞句の理解時間は,スロットの値の書き換えの分,長くなるだろう.また,典型名詞句の意味表象の構造は,形容詞のない裸名詞句と同様なので,記銘の後,再生された場合,非典型名詞句よりも多く形容詞が脱落しているだろう.この予測は実験でも確認され,仮説が支持された.

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© 2007 日本認知心理学会
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