認知心理学研究
Online ISSN : 2185-0321
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A ruler-based technique to rigorously control the size of visual stimuli for online psychological experiments
Hiroyuki Muto
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論文ID: 2415

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抄録

本研究は,オンライン心理学実験において視覚刺激のサイズを厳密に統制する方法を提案する.この方法では,ランダムな長さで提示される線分の長さを参加者に繰り返し物差しで測定させ,その測定値をもとに画面上のミリメートル:ピクセル比を最小二乗法で推定する.キャリブレーションの成功は,テスト用線分の測定誤差や線形回帰モデルの残差分散によって客観的に評価できる.シミュレーションの結果,提案する通過基準のもとでは比の推定誤差の標準偏差が高々0.007 mm/pxであることが示された.この方法を実際に実装したところ,100人の参加者のほとんどが数分以内に手続きを完了でき,この方法の十分な実現可能性が示唆された.本方法は,視覚刺激のサイズが鍵となる視知覚や視覚認知に関する現象をオンライン環境で研究する際に特に有用であると考えられる.この方法のデモとlab.jsで実装するためのJSONファイルをOSFで公開している(https://doi.org/10.17605/osf.io/zeyxp).

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