日本大腸肛門病学会雑誌
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主題I:潰瘍性大腸炎診療の最前線
II.現代の潰瘍性大腸炎サーベイランス内視鏡と今後
渡辺 憲治
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2023 年 76 巻 10 号 p. 567-571

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抄録

潰瘍性大腸炎サーベイランス内視鏡の対象症例は今後増える一方,潰瘍性大腸炎関連腫瘍の発生率は低下していく.そのため高精度のサーベイランス内視鏡を効率良く施行する必要がある.精度向上には内視鏡機器の開発のほか,treat-to-target戦略による内視鏡的寛解を目指した診療が必要で,内視鏡的な治療の有効性評価の際にサーベイランス内視鏡を施行する.サーベイランス内視鏡で最も重要な段階は最初の病変の認識で,その精度向上のためにNBI(narrow band imaging)や色素内視鏡などを使用し,拡大内視鏡観察で病変の質的診断と生検採取部位の決定に努める.本分野の今後の発展のため,AI(artificial intelligence)や分子イメージング内視鏡の開発が期待されている.

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© 2023 日本大腸肛門病学会

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