日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸杙傷後四日目にスルピリン注で急死した一例
(直腸損傷と薬物異常反応を中心として)
内田 好司林佐 千夫
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1975 年 28 巻 4 号 p. 308-313,392

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抄録

症例,20歳,男性.乳児期に肺炎に罹患せるほかは平常全く健康.受傷機転,トラックの上で仕事をしていて荷台からとびおりた時に自分で手にしていた鳶口の柄を誤って肛門に刺入した.柄の直径は約3cm.レ線上横隔膜下にフリーガスを認め,開腹すると,直腸右前側,歯状線から約8cm口側に鳩卵大の穿孔あり,2層に縫合,ダグラス窩にドレインを置き閉腹肛門括約筋の挫滅部も縫合.術後四日目夜,39℃に発熱,25%アミノバール2ccを皮下注した直後にショックに陥り注射後約3時間で死亡.考察の前半で杙傷の定義直腸穿孔の取り扱いなどを述べ後半で薬物ショックについてアレルギー反応"による場合と然らざる場合との両面から概説した.

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