日本大腸肛門病学会雑誌
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28 巻, 4 号
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  • 北陸 平, 小沢 利博, 金 英一, 宮本 新太郎
    1975 年 28 巻 4 号 p. 303-307,392
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    アメーバ性大腸炎について,3例の自験例を中心に文献的考察を加える。症例1は70歳男子で,4年前より血便,症例2は57歳男子で,12日前より右下腹部痛と粘血便,症例3は67歳男子で,1カ月前より血性下痢,裏急後重を主訴として来院した.3症例とも生鮮標本および生検でアメーバ原虫を認めた.アメーバ性大腸炎は終戦後一時多くみられたが,その後は関心も薄くなっている.3症例のうち2例は海外旅行歴もなく診断上注意を要する.裏急後重を伴う激しい粘血便,腹痛,発熱等を訴える急性型は比較的稀で,便通異常,不定の腹部症状を訴える程度の慢性型が多い.本邦におけるアメーバ赤痢は厚生省の統計では患者数で1960年には160名であったが1973年は6名に激減しているが,届出にあらわれる数字は一部にすぎないと思われる.直腸,S状結腸あるいは上行結腸,盲腸の炎症性疾患に対するアメーバ性大腸炎の存在も忘れてはならないと思われる.
  • (直腸損傷と薬物異常反応を中心として)
    内田 好司, 林佐 千夫
    1975 年 28 巻 4 号 p. 308-313,392
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例,20歳,男性.乳児期に肺炎に罹患せるほかは平常全く健康.受傷機転,トラックの上で仕事をしていて荷台からとびおりた時に自分で手にしていた鳶口の柄を誤って肛門に刺入した.柄の直径は約3cm.レ線上横隔膜下にフリーガスを認め,開腹すると,直腸右前側,歯状線から約8cm口側に鳩卵大の穿孔あり,2層に縫合,ダグラス窩にドレインを置き閉腹肛門括約筋の挫滅部も縫合.術後四日目夜,39℃に発熱,25%アミノバール2ccを皮下注した直後にショックに陥り注射後約3時間で死亡.考察の前半で杙傷の定義直腸穿孔の取り扱いなどを述べ後半で薬物ショックについてアレルギー反応"による場合と然らざる場合との両面から概説した.
  • 小平 進, 北條 慶一, 小山 靖夫
    1975 年 28 巻 4 号 p. 314-321,393
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1962年より1974年までの間に国立がんセンター外科において切除された349例の単発性直腸・肛門管癌(扁平上皮癌は除く)症例を対象として,原発巣の諸因子とリンパ節転移の関係,およびリンパ節転移に関連した根治手術後の遠隔成績について検討を加えた.
    リンパ節転移は51.8%の症例に陽性で,腫瘍占居部位別の転移率には差を認めない.また転移経路を上方と側方に分けると,上方転移は口側に近い腫瘍ほど高率で,側方転移は逆に肛門側に近い腫瘍ほど高率どなる.全症例の13.4%に側方転移を認めている.その他,腫瘍の占居部位別の各リンパ節群への転移状態,壁在性と側方転移の関係,深達度および大きさと転移率の関係なども検索した.
    また我々の根治手術後の5生率はover allで51.5%であるが,リンパ節転移陰性群では62.5%,陽性群では26,8%である.その他,Astler分類別.およびリンパ節転移陽性個数別による予後についても検討した.
  • 多田 正大, 武村 周平, 中村 憲二, 西村 幸喜, 森沢 康二, 上田 尚司, 岡西 茂, 川井 啓市
    1975 年 28 巻 4 号 p. 322-326,393
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸ポリープ・ポリポージスは癌との鑑別,癌化率・癌合併率の高さからも,前癌病変の一つとして臨床的,病理学的にも注目されている.下血を主訴とする35歳・男性の大腸にビ漫性に897個のポリポージスが発見され,直腸を温存して大腸亜全摘術がなされたが,残存直腸ポリープの治療の目的で95%エタノールによる内視鏡的直視下局注法によるポリペクトミーがなされた.本法は近年普及しつつある高周波電気メスによるポリペクトミーと異なり,ポリープの回収は出来ないものの,適切な操作で安全になしうるうえ,人工潰瘍の修復も比較的速やかであることからも,対象の選択によっては有用な内視鏡的治療法の一つであると考えられる.
  • 梶谷 鐶
    1975 年 28 巻 4 号 p. 327-330,394
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    癌研附属病院の1946~73年の治癒切除,単発大腸癌820例中,粘膜癌,粘膜下層癌は37例である.粘膜癌19例,粘膜下層癌18例である.粘膜下層癌の1例にリンパ節転移を認める.13例は径2.0cmを越えている.有柄又は無柄の隆起性の癌がm,sm癌の特徴である.5生率は100%であった.
    Dukes A群は治癒切除例の17.8%に認められ,その5生率は93.6%であった。Dukes Aは早期の癌と云える.しかしこの分類はSurgico-pathologicalなもので,Dukes Aの鑑別は臨床的にははなはだ困難である.臨床的に癌の大きさを測定することははなはだ簡単である.径2.0cm以下の癌は大部分がm,smの癌に属し,5生率は100%である.しかしm,smの癌の中には径2.0cmを越える腫瘍が少なくない.しかも予後は良好なのである.
    m,sm癌は組織学的に診断されなければならないが,臨床的にも略推定できる.m,sm癌は大腸の早期癌の基準に適切である。しかし臨床的に明らかな転移例は除かるべきである.
  • 白壁 彦夫
    1975 年 28 巻 4 号 p. 331-335,394
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸早期癌(癌浸潤が粘膜内にあるもの,および,粘膜下に止まるもの)の診断の考え方は,次のように,まとめることができる.ひろいあげにかんしては,微小癌は小さいので,1cmより小さいものまで,ひろい上げる必要がある。1cm以上のものの見逃しは許されない。
    癌であるか,どうかの確診は,生検によらなくてはならないが,大きさと側面像とから推定診断を下すことはできる。
    北条は次のようにいう。すなわち,ポリープが大きくなれば,それほど悪性の頻度は増し,最大径が2cmをこえると32-50%が癌,ないし,いわゆる“Ca-in-situ”であった.また,丸山は次のようにいう。すなわち,隆起性病変のX線診断は,有茎か無茎をきめろ.無茎なら表面の陥凹をさがせ.有茎なら良性か早期癌だ.無茎で中心に陥凹があれば,早期癌か進行癌だ.
    平坦型はsmが多いことも注意したい.
  • 陣内 伝之助
    1975 年 28 巻 4 号 p. 336-338,395
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1.現在,直腸癌にふつう行われているMiles手術の術後機能障害(排尿・性機能障害・人工肛門)の大なることからみて,wedge resectionやpolypectomyなどの小手術の許される早期癌の定義の設定が望まれる.
    2.早期大腸癌は5年生存率90~95%以上,全症例中の頻度10%程度が望まれる.
    3.早期大腸癌の定義は,胃癌の場合よりも厳重である必要がある.
    4.早期癌の定義は術前診断可能な所見で決められるべきである.
    5.早期大腸癌の定義は壁深達度がsmまでで,かつ直径1cm以下のものとする.
    6.早期大腸癌の定義は,同じ消化器癌である胃癌の場合と同じ規準におくことが望ましい.
  • 武藤 徹一郎, 松丸 清, 神谷 直治, 堀江 良秋, 石川 浩一
    1975 年 28 巻 4 号 p. 339-344,395
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    腺腫および腺腫由来と考えられる癌の組織学的検索から,大腸の腺腫と早期癌の関係を検討した.腺腫を母地にして大腸癌が発生することを示唆する所見は少なくないが,その中でも最も有力な証拠と考えられるものは,粘膜内に限局する癌のほとんどすべてが,腺腫内に見出されたという所見であろう.癌の進展に伴って母地である腺腫は癌によって置換され,母地の証拠は消滅してしまうと考えられる:腺腫の中に起こるであろう癌化というプロセスも決して格一的なものでなく,個々の腺腫,組織型の違いにより差があるものと推察された.
    内視鏡的に摘除した100個の腺腫の中に18個の早期癌を認めたが,この中少くとも16個は腺腫内の癌であった.内視鏡的ポリープ摘除は,臨床的に有用であるばかりでなく,大腸癌の発生母地を知るうえでも有用であると考えられる.
  • 山田 明義, 矢沢 知海, 小林 誠一郎, 浜野 恭一, 小坂 知一郎, 恩田 光憲
    1975 年 28 巻 4 号 p. 345-348,396
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸早期癌症例39病変中,術前注腸X線検査を施行した34病変の病理肉眼所見から有茎性,亜有茎性,広基性,潰瘍形成性の4型に分け,その大きさと深達度につき検討した上で,大腸早期癌のX線診断につきまず存在診断の精度,問題点につき述べ,さらに質的診断の可能性につき検討した.良性疾患との鑑別として良性ポリープ59病変と対比してみた.型別にみると有茎性病変において鑑別がとくに難しい。亜有茎性,広基性のものは病巣の大きさからある程度の鑑別は可能である.表面の凹凸像は組織型との関連はあっても良悪性の判定には関連性は乏しい.次に深達度と関連して,早期癌と隆起型進行癌23病変との鑑別につき検討した.有茎性のものは大部分が粘膜癌で,広基性の病変は25mm以上のものは進行癌であり,表面に潰瘍形成のみられるものは大部分進行癌である.この意味から隆起の表面の性状を詳細に描出することは重要である.
  • 青山 大三
    1975 年 28 巻 4 号 p. 349-351,397
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸早期癌診断のためのレ線検査法はブラウン法による前準備,レ線検査前のコリオパン注射と65% W/Vのバリウムによる二重造影法である..
    大腸早期癌の肉眼所見は隆起性病変に限られている.したがって,それを発見するように注意しなくてはならない.
    大腸内視鏡は大腸ルーチン検査には不適当であるから,レ線検査で小ポリープも見逃さないようにすべきである.
    検査方法については現在の日本では略完全といってもよいと思われる.
    他方,大腸早期癌の患者はどのような愁訴をもっているかがわかっていない.むしろ無愁訴が多いのでは.ないか.この問題が重要である.
    林田教授の提唱する「結腸症候群」のレ線検査中にリンパ節転移のない小さい大腸準早期癌の症例を示した.
  • 丸山 雅一, 佐々木 喬敏, 舟田 彰
    1975 年 28 巻 4 号 p. 352-357,397
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    The radiologial diagnosis of early carcinoma of the large bowel resolves itself into the following six points.
    1. Detailed analysis of macroscopical characteristics is of no use for the radiological differential diagnosis of polypoid lesions of the large bowel.
    2. It is the most important procedure first to distinguish whether a polypoid lesion is pedunculated or sessile, and, then, whether it has central depression or not, when the lesion is sessile.
    3. It is impossible to decide radiologically whether a pedunculated lesion is benign or early carcinoma. There is no advanced carcinoma in pedunculated lesions.
    4. A sessile lesion within 1.0 cm in the largest diameter and without central depression is most probably diagnosed as early carcinoma.
    5. A sessile lesion with central depression should be diagnosed as advanced carcinoma, Borrmann Type II, rather than eatly carcinoma, Type IIa+IIc, regardless of its size. There is no benignancy in the lesions with central depression.
    6. It is very difficult to decide invasion depth of carcinoma by the extent of depressed sign (deformity) of the bowel wall, although early carcinoma reveals generally a slight sign of it.
  • 渡辺 晃, 東海林 建一, 山形 敞一
    1975 年 28 巻 4 号 p. 358-361,398
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    われわれはDukes A群と早期胃癌の定義に準じて規定したいわゆる"早期大腸癌"の2群のそれぞれについて内視鏡診断,生検診断,細胞学的診断の成績を検討し,それらの結果にもとづいて大腸早期癌の必要にして充分な診断法を検討した.また,相対生存率を用いてそれらの予後についても検討を行った.その結果次の結論を得た.
    1)早期大腸癌は,内視鏡検査に生検と細胞診の両方を併用すれば診断は可能である.
    2)大腸癌は早期胃癌に準じて規定した早期大腸癌またはDukes Aの状態で発見して切除すれば治癒する疾患と考えられる.
  • 小林 世美, 吉井 由利
    1975 年 28 巻 4 号 p. 362-364,398
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1965年から1973年までに愛知県がんセンターで手術された大腸癌は487例で,その中にいわゆる"早期大腸癌"(癌浸潤が粘膜及び粘膜下層に限局しているもの)は36例(7.4%)あった.
    肉眼型では,早期癌は隆起を示すものが多く,m癌では100%,sm癌では74%が隆起型であった.これは進行癌で,潰瘍型がほとんどであるのと対照的である.内視鏡による正診率は,m癌で46.2%,sm癌で82.4%と低く,誤診例はいつれも良性ポリープと診断されている.この事実は,内視鏡観察のみでは,早期大腸癌と良性ポリープの鑑別が不可能であることを示している.従って,内視鏡下の生検及び細胞診がそれらの鑑別と,早期大腸癌の発見に重要であり,更には,近年可能となった内視鏡下のポリープ切除は,"完全生検"によるポリープ性病変の詳細な検索を可能にし,診断確定により適当なる治療法の選択に寄与している.
  • 土屋 周二, 犬尾 武彦, 竹村 浩, 松田 好雄, 江口 英雄
    1975 年 28 巻 4 号 p. 365-368,399
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸の早期癌をふくむ隆起性病変は,局所的にこれを完全に切除することによって,その良性・悪性の別,進展度などにつき十分な検索が可能である.もしも良性と判明すればこれにより治療は完結し,悪性であればさらにより根治的の方法をとるかどうかの判断ができる.局所切除を十分広く,また深部まで行ない,同時に肛門機能に障害を与えない方法には,経肛門的,経仙骨的,経括約筋的切除術がある.自験例13例にこれらの方法により局所切除を行なったが,その術式の要点,意義についてのべる.
  • 高橋 孝, S. Yamada
    1975 年 28 巻 4 号 p. 369-372,399
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸早期癌の定義は未だ定ってはいない.しかし,大腸癌の進展形式のうちの一つである深達度をとり上げて,深達度m.smまでのものを早期大腸癌とする傾向にある.実際の臨床にあって深達度m.smの癌として診断をくだすには,病変の形態と大きさとからその病変の深達度を推測しなければならない.すなわち,形態では茎の有無,中央陥凹の有無,大きさでは最大径2.0cmを境とすることによっで,m.sm癌の頻度がかなり高率に推測しうるわけである.したがって,大腸のm.sm癌の治療方針を考える場合においても,まず,その病変の形態と大きさとを正しく認識し,この二つの状態を組み合わせることによって,病変を分類し,そのおのおのについて治療方針を考えることが必要である.このように考えることによって,良性病変との鑑別からm.sm癌の治療までが一貫として行われうる.もう一つの進展形式であるリンパ節転移の確率をも考慮することは勿論である.
  • 北條 慶一
    1975 年 28 巻 4 号 p. 373-376,400
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    早期癌の外科治療で問題となるのは深達度smの場合であろう.深達度mの癌なら,リンパ節転移の経験もなく,また従来の治療経験からみても局所的切除で充分といえる.
    癌がsmへ進展すると,5~10%の症例にリンパ節転移が認められ,この事実を如何に評価するかによって考え方が異ってくる.私どもは根治性第一ということからsmの癌は進行癌と同様に取扱うべきであるという考えである(R1程度の手術).smへの浸潤の量とか組織像の分化程度(浸潤部分は低分化傾向を示すものが多い)とかによって区別しても絶対的でなく,宿主個体にとってはRiskからみれば無意味である.
    ただし,直腸下部や肛門管に発生したsmの癌には可及的括約筋残存に努力が払われるべきであるが,それでも根治性の面から人工肛門を回避できないときには,患者の強い希望に相応して括約筋残存のための可及的拡大局所切除(Mason. Kraskeなどの切除術)も,次善の対応策として,術後充分な観察という条件をつけて一応認められよう.原則はやはり重積法(welch)切断あるいはpull throughである.
  • 高野 正博, 偶越 幸男, 岡田 光生, 住江 正治, 神 淳一, 坂田 寛人, 有輪 六朗
    1975 年 28 巻 4 号 p. 377-382,400
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸下部より肛門部にかけての早期癌は発生部位の解剖学的特異性から,より口側の大腸癌とはかなり異なった性格を示し,治療の面でもまた特殊な手法を要する.
    直腸下部~肛門部にかけて上皮は1.粘膜(単層円柱上皮)2.いわゆるcloacogenic zone(数層の立方上皮)3.肛門上皮(角化,付属器を欠く重層扁平上皮)4.皮膚,と四帯の移行がみられ,また歯状線上には肛門腺(数層の立方~柱上皮)が開口している.これら複雑な上皮から,病理学的にみて種々の癌が発生してくる可能性がある.
    直腸下部~肛門部早期癌の定義としては,大腸早期癌に準じて,大腸の粘膜筋板が移行してくる肛門粘膜下筋(musculus submucosae ani)までの浸潤に止まるもの,として良かろう.
    直腸下部~肛門部早期癌は,上皮と下部組織との移動性が少なく,括約筋により締め付けられ,便で擦過される,という環境から,我々の例では扁平隆起型で,肛門外へ脱出する傾向が少ない.villous adenomaの悪化した例も少なくない.
    治療として,広範囲切除術では人工肛門造設が避けられない部位であるだけに,術前total biopsyを行い,組織学的に十分検討を行ない,なるべく括約機能を最低限に残した局所切除を行なう様に努める.しかし,3.0×3.0cmの小型進行癌で広範囲切除を行なうも全身転移で死亡した例もあり,術式については慎重な判断が必要である.
  • 1975 年 28 巻 4 号 p. 383-390
    発行日: 1975年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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