日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸早期癌とは(診断の考え方)
白壁 彦夫
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1975 年 28 巻 4 号 p. 331-335,394

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抄録

大腸早期癌(癌浸潤が粘膜内にあるもの,および,粘膜下に止まるもの)の診断の考え方は,次のように,まとめることができる.ひろいあげにかんしては,微小癌は小さいので,1cmより小さいものまで,ひろい上げる必要がある。1cm以上のものの見逃しは許されない。
癌であるか,どうかの確診は,生検によらなくてはならないが,大きさと側面像とから推定診断を下すことはできる。
北条は次のようにいう。すなわち,ポリープが大きくなれば,それほど悪性の頻度は増し,最大径が2cmをこえると32-50%が癌,ないし,いわゆる“Ca-in-situ”であった.また,丸山は次のようにいう。すなわち,隆起性病変のX線診断は,有茎か無茎をきめろ.無茎なら表面の陥凹をさがせ.有茎なら良性か早期癌だ.無茎で中心に陥凹があれば,早期癌か進行癌だ.
平坦型はsmが多いことも注意したい.

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