日本大腸肛門病学会雑誌
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潰瘍性大腸炎に対するベーターメサゾン坐剤の治療効果
大沢 直富士 原彰
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1979 年 32 巻 1 号 p. 8-12,81

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抄録

主に下部大腸の病変を主体とした中,軽症型の潰瘍性大腸炎14症例に対して,betamethasone(リンデロン)(R)坐薬を使用し,その治療効果につき検討した.
坐薬の使用方法は1日1回就寝前または排便後に挿入せしめ,使用量はbetamethasone 2mgより開始,1~2週間隔で→1mg→0.5mgへと漸減しながら,少くとも4週間以上連用した.その結果,14症例中著効7例,有効4例と極めて好結果が得られた.投与期間中の副作用は全く認められなかった.
更に本剤の使用に際し,血中betamethasone濃度,及び内因性cortisolの変動について測定して検討したが,そめ血中濃度の最高値は同量のbetamethasone経口投与時の最高値の約1/3~1/4であった,病変局所に高濃度のステロイドを作用さす方法として,坐薬は最も扱いやすく,経口投与に比し副作用の問題も比較的少ないと考えられ,特に直腸付近に病変の限局する症例に対する治療にあたって注目すべきものであろう.

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