1980 年 33 巻 6 号 p. 566-568,616
人工肛門(ストーマ)とその周囲の皮膚障害は非常に密接な関係にある.したがってこの皮膚障害を最少限にすることができれば,ストーマのアフターケアーはほぼ成功したといっても過言ではない.しかし皮膚障害の発生原因は多種多様であり,それぞれの原因に対して予防的,治療的処置を講じなければならない.とくにおこりうる原因に対する予防的処置はスキンケアーの最も重要なことであるといえる.そのためにカラヤゴム,バリケアーなど最近日本においても普及してきた皮膚防護剤(スキンバリアー)を手術直後から皮膚障害の予防のために用いることを基本的処置とし,さらにそのような処置をより効果的に行なうことができるようなよいストーマを作成されることがストーマをもって社会復帰をするための重要な因子である.