教室の潰瘍性大腸炎34例について血清ChE値を検討した結果,1)血清ChEは血清albumin, Hbと正の相関を,CRP,赤沈,白血球数,血清α2-globulinと負の相関を示した.その中で血清ChEと血清albuminとの間に最も顕著な相関がみられた.2)血清ChEは,潰瘍性大腸炎活動期で緩解期に比し有意に低下し,その傾向は病変範囲が広汎なほど,重症度が高度なほど顕著であった.3)血清ChE/albumin比は血清ChE同様,潰瘍性大腸炎活動期で有意に低下した.
以上から,血清ChEは潰瘍性大腸炎の病勢を鋭敏に反映し,従来の潰瘍性大腸炎重症度指標に加え,新たな重症度指標として役立つことが示唆された.