日本大腸肛門病学会雑誌
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肛門管癌の臨床病理学的検討
中江 史朗裏川 公章植松 清
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1992 年 45 巻 2 号 p. 169-174

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抄録

肛門管(P)に中心を持つ肛門管癌13例と下部直腸(Rb)に中心を持つ下部直腸癌53例を比較検討した,肛門管癌の組織型は粘液癌6例,腺癌4例,扁平上皮癌2例,印環細胞癌1例で,下部直腸癌は94%が腺癌であった。肛門管癌特有の症状として膿性分泌が3例にみられ,うち2例の病悩期間は3年と36年で,いずれも粘液癌であり,後者は痔瘻癌と考えられた.肛門管癌ではaiが3例(23.1%)と,下部直腸癌(12.5%)より高率であった.下部直腸癌はn2-4(+)が25.7%であったが肛門管癌では58.3%と高率で,鼠径リンパ節転移は下部直腸癌が3例のみに対し肛門管癌では6例(46.2%)に出現した.出現時期は原発巣と同時期が2例,6~12カ月の問に2例,他2例は1年以上経て発見された.肛門管癌の5年生存率は29.9%で下部直腸癌切除例62.9%より低く,生存率曲線の比較でも下部直腸癌より不良で,治癒切除は6例(46.2%)のみであった.

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