日本大腸肛門病学会雑誌
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イヌを用いた下痢における大腸運動に関する実験的検討
落合 匠長浜 徴榊原 宣
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1992 年 45 巻 2 号 p. 175-181

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抄録

下痢の際の大腸運動を解明するため,雑種成犬を対象に実験を行った.実験的に下痢が認められる動物実験モデル(全幹迷走神経切離,拘束ストレス負荷)をもちいて各種下痢における大腸運動について経時的X線撮影とstrain gauge force transducer法を用いて大腸運動を記録,検討し以下の結果を得た.下痢の際,正常の大腸分節運動の低下が認められ,giant migrating contraction(GMC)が頻回に認められた.これは下痢の原因のいかんにかかわらず下痢をきたしたすべてに認められた.従来よりいわれている下痢の際の大腸運動亢進は頻回のGMCをとらえていたのではないかと考えられた.また下痢の際における腸管はhypoki-neticではあるが,一方では頻回にGMCが発生するhypersensitiveでhyperreactiveな状態にあると考えられた.

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