日本大腸肛門病学会雑誌
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リンパ節転移個数からみた結腸癌の遠隔成績
stage分類との対比を中心に
橋爪 正福眞 秀美盛岡 元一郎高橋 賢一三上 勝也盛田 真伸小館 昭示西沢 諒一
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1992 年 45 巻 6 号 p. 829-836

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抄録

結腸癌のリンパ節転移個数別の遠隔成績を算出し,現行の進行度(stage)分類と比較しつつ検討した.対象は過去10年間の結腸癌初回手術例のうち癌腫が完全に切除され十分な郭清の行われた201例である.転移陽性例は81例(40.3%),転移個数は1個のみ陽性が33例(16.4%)と最多で以下,転移個数の増加に反比例し例数は漸減した.転移個数別の累積5年生存率は転移なし群94.2%,1~2個の転移陽性群89.3%,3~5個の陽性群47%,5個を越える群16%であり転移陽性3群間にかなり明瞭な予後の差を認めた.取り扱い規約による転移範囲との関係では少数個(1~2個)の転移例の予後は転移範囲によらず良好であるが,多数個(5個~)の転移例は第1群リンパ節のみの転移でも明らかに予後不良だった.以上よりリンパ節転移個数は結腸癌の予後に極めて大きな影響を与えること,転移個数による亜分類を組合せると従来区別し得なかった病期分類上の予後の差が明らかになることが示唆された.

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