日本大腸肛門病学会雑誌
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穿孔性腹膜炎をきたした小腸原発T細胞性リンパ腫の一例
正木 ルナ前田 壽哉大越 修山田 恭司曽根 辰巳山口 晋高桑 俊文
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2001 年 54 巻 4 号 p. 247-252

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抄録

症例は63歳女性.1997年5月中旬より39度台の発熱が続き,6月17日不明熱精査目的で入院.6月23日突然の下腹部痛出現.CTにて腹腔内遊離ガスを認めたため,穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.開腹所見では,小腸全域の漿膜に白色調変化および硬結を散在性に認めた.回腸末端より約lm口側の回腸に約2mmの穿孔と,さらに約10cm口側回腸に近位小腸への穿通を認めたため,両病変を含めて小腸部分切除を施行した.切除標本では多発潰瘍と穿孔を認め,病理組織学的所見よりnon-Hodgkin Lym-phoma(diffuse pleomorphic,T-cell type)と診断した.小腸原発T細胞性悪性リンパ腫の本邦報告例は,検:索範囲内では自験例を含めて21例と極めて少ない.今回我々は小腸原発T細胞性悪性リンパ腫の穿孔例を経験したので,自験例を含めた本邦報告例の比較検討と併せて,若干の文献的考察を加え報告する

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