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速報論文特集−第59回材料と環境討論会
定露点型サイクル試験中の1100アルミニウム合金の腐食挙動における付着塩の影響
島田 隆登志大谷 良行本川 幸翁兒島 洋一武藤 泉
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2013 年 62 巻 2 号 p. 56-60

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抄録

大気環境を模擬できる定露点型サイクル試験中の1100アルミニウム合金の腐食挙動における付着塩の影響をNaCl,MgCl2,およびCaCl2を用いて検討した.1100アルミニウム合金の腐食深さは,付着塩に依存し,MgCl2>CaCl2>NaClの順に大きくなった.一方,浸漬試験における腐食深さは,比較的希薄な溶液ではカチオン種に依存しないが,濃厚溶液中ではカチオン種に依存した.他方,分極曲線において,濃厚溶液中のカソード反応にカチオン種の顕著な影響が見られた.これらのことから,大気腐食における付着塩は,試料表面の濡れ時間のみならず,濃厚溶液となる潮解湿度付近におけるカソード反応にも影響を及ぼすことが示唆される.

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© 2013 公益社団法人 腐食防食学会
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