材料と環境
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ごみ焼却環境における耐熱鋳鋼SCH2の粒界腐食に及ぼすNb添加の影響
高橋 英徳岡 武裕浦上 嘉信神保 元八鍬 浩野口 学成田 敏夫
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2005 年 54 巻 5 号 p. 212-217

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抄録
耐熱鋳鋼SCH2の粒界腐食を改善するために添加したNbが粒界腐食挙動に及ぼす影響について, 実機焼却炉および試験装置を用いて検討した. Nbは最大で2.5wt%添加した. Nb炭化物は結晶粒界に生成し, X線回折の結果からNbCおよびNb6C5と同定された. このNb添加合金を実機および試験装置で評価したところ優れた耐食性を示した. この結果は, 結晶粒界に成長したCr炭化物の選択的な腐食により生じる粒界腐食がNb炭化物の析出により抑制されることを示している. 腐食先端近傍の元素分布からNbSの生成が認められた. NbSは緻密な上に成長が遅いために保護的に働いたと考えられる. このような機構でNbを添加した耐熱鋳鋼は耐食性が向上したと考えられる.
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© 社団法人腐食防食協会
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