材料と環境
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高温塩素含有雰囲気におけるNi基鋳造合金の耐食性に及ぼす合金元素の影響
野口 学松岡 慶阪本 英之植田 茂紀澤田 義行
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2005 年 54 巻 5 号 p. 218-224

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抄録
塩素含有高温環境におけるNi基鋳造合金の耐食性に及ぼす合金元素の影響を調査した. これまでの研究により, 塩素含有雰囲気では900℃付近に腐食ピークが存在し, 合金内部の塩化物の挙動と関連があることが示された. 本研究では, 合金中にAlを添加することによりピークが減少し, 耐食性が改善することを見い出した. Alの効果として, Al2O3皮膜の形成と合金内部でのClの蓄積防止が考えられる. さらにAl添加合金にSiを添加することで耐食性が改善することを見い出した. ラボ試験の結果を元に, ベース材 (Ni-33Cr-15W-1Si-0.3C) とAl添加合金 (Ni-33Cr-10W-2Si-2Al-0.3C) を実機焼却炉の900℃付近の環境で1年間暴露した. Al添加合金の腐食量はベース材に比べて大幅に少なく, Al添加が実環境でも有効なことを確認した.
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© 社団法人腐食防食協会
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