循環器理学療法学
Online ISSN : 2758-0350
原著論文
入院関連機能障害は経カテーテル的大動脈弁留置術施行1年後のフレイル進行の予測因子である
清水 将史柴田 敦谷口 耕大呉 裕介岡井 主池渕 充彦泉家 康宏
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2024 年 3 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

〈目的〉

経カテーテル的大動脈弁留置術 (Transcatheter Aortic Valve Implantation: TAVI) 術後1年時点におけるフレイル進行に関連する因子を,入院関連機能障害 (Hospitalization-Associated Disability: HAD) を含めた因子より検討した.

〈方法〉

2019年2月から2021年3月において,当院で経大腿アプローチのTAVI (TF-TAVI) を行った97例を解析対象とした.Clinical Frailty Scale (CFS) を術前と術後1年時点に評価し,1点以上増加した症例をフレイル進行群,それ以外をフレイル維持群とした.HADはBarthel Indexを用いて判定した.両群間においてHAD発生を含めた各種臨床指標を比較し,フレイル進行に関する因子について評価した.

〈結果〉

フレイル進行群ではフレイル維持群に比較して, HADが有意に多く発生した.また,フレイル進行を従属変数にしてロジスティック回帰分析を用いて多変量解析を行ったところ,HAD発生が術後1年時のフレイル進行の独立した予測因子として抽出された.

〈結論〉

TF-TAVI患者におけるHADの発生は術後1年時点でのフレイル進行のリスク因子となる.

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