日本教科教育学会誌
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島根県の実態からみた小学校家庭科担当方法の課題 : とくに男子教員の場合について
多々納 道子
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1994 年 16 巻 4 号 p. 133-142

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抄録
本報では,家庭科を担当していない教員の指導実態と意識を調査し,家庭科指導上の問題点を論じた。結果として,次のようなことが明らかになった。5,6年の学級担任の中で,家庭科を担当している男子教員は極めて少数であった。これまでに,家庭科を担当したことのある男子教員は,わずかであった。したがって,家庭科の担当には,性別役割意識が強く働いていた。かなり多くの教員が,今後家庭科は担任教員あるいは専科教員によって担当されるのが望ましいと考えていた。男子教員は被服領域を指導しにくいとし,家族と住居はむしろ指導しやすいとしていた。家庭科を担当していない男子教員においても,家庭科の教育的価値を理解していた。今後の家庭科担当の希望は,伝統的な性別役割意識を持つ教員と民主的な役割意識を持つものとの間で有意差が認められた。
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© 1994 日本教科教育学会
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