日本教科教育学会誌
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中学生の熟慮性-衝動性と知的能力・学業成績の関係
前田 洋一
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1994 年 17 巻 2 号 p. 95-101

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抄録
認知スタイルのひとつである熟慮性-衝動性を調査する同画探索テスト(MFFT)を中学1年生に実施し,これと知的能力・学業成績との関係を調べたところ,以下の結果が得られた。(1)女子群は男子群よりも能率性得点が高かった。(2)知的能力を統制してMFFテストの各指標と学業成績との偏相関係数を算出した結果,有意な相関が減少した。このことより,学業成績には知能が寄与しているものと考えることができる。(3)熟慮型の生徒と衝動型の生徒との間で平均値の差の検定を行った結果,男子群では熟慮型の生徒が衝動型の生徒よりも知的能力・学業成績とも高かった。女子群では熟慮型と衝動型の生徒間で,知的能力では差は認められなかったが,学業成績では差の認められる教科が存在した。
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© 1994 日本教科教育学会
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