抄録
ニュージランドでは,ワイカト大学教育研究センターにおけるLISP(理科学習プロジェクト)を中心として,子どもの科学概念形成やそれにかかわる学習指導方法の研究に取り組んできている。本研究では,ニュージーランドにおける理科カリキュラム改革の中に,子どもたちの自然認識を生かした構成主義的アプローチがいかに応用されようとしているのかを明らかにすることを目的としている。そこで,現地調査を行い,教育省が配布したカリキュラム文書を構成主義的な観点から分析した。分析結果から今回改訂された一連の理科カリキュラムは,従来の単に学習されるべき内容だけを重視した改訂とは異なり,構成主義的な観点に則って開発されたカリキュラムであることが明らかにされた。