日本教科教育学会誌
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バレーボールのブロック指導に関する研究
佐賀野 健西村 清巳
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1995 年 18 巻 2 号 p. 41-49

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抄録
本研究の目的は,現在の競技バレーボールにおけるブロックの位置づけを技術段階別に明らかにすることと,指導者のブロックに対する考え方,指導方法の実態を明らかにすることによって,ブロックの指導理論と指導方法を構築するための基礎資料を得ることである。結果:1.ゲームにおいて,15点のうち3〜4点以上をブロックによって得点できるほど,ブロックは攻撃的になっている。2.相手アタッカーに対して2人か3人でブロックにつくことができた場合,ブロック返球率,アタックレシーブ率,相手のアタックミス率は,ブロッカーが1人以下の場合にくらべて高くなっている。3.技術段階が上がるにしたがって,攻撃パターンがオープン主体の攻撃からコンビネーション攻撃に変わってくる。そして,ブロッカーが2人以上でブロックに跳ぶことが難しくなる。4.ブロック指導の実態では,「身長の低い選手やジャンプ力のない選手は,ブロックをする必要はない」「ブロックは効果が見られないから,練習する必要はない」など,指導者のブロックに対する認識は低い。5.ブロックの難しさを考えた場合,指導者は選手が初心者のときから長期的計画にもとづいて指導するべきである。
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© 1995 日本教科教育学会
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