日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
Print ISSN : 0288-0334
ISSN-L : 0288-0334
教科課程におけるリーズニングに関する考察 : 新学力観及び中等技術教育の視点から
二宮 裕之
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 19 巻 2 号 p. 81-86

詳細
抄録

本稿はアメリカの教育改革の中で提起された『高次の能力』の中のひとつとして教科教育全般において注目を集めているリーズニングについて考察したものである。リーズニングの捉え方には大きく,学習理論の連合説的な捉え方,及びフォーマル,インフォーマルの2種類の認知説的な捉え方の3通りが存在する。その中で特にインフォーマル・リーズニングは,日本の新指導要領における新学力観と整合的であり,それは新学力観において求められる能力の1つとして同定される。さらに,従来技術活動に重点の置かれていた技術教育において,3つのリーズニングがどのような技術活動において求められるかを明らかにした。そして中等技術教育においては特にインフォーマル・リーズニングを重視した実践が望ましい点を指摘し,そこに必要な学力への新しい視点を提起した。

著者関連情報
© 1996 日本教科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top