日本教科教育学会誌
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コンピュータによる教授行動の空間的分析
杵淵 信安藤 明伸鳥居 隆司奥野 亮輔
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2001 年 23 巻 4 号 p. 11-19

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抄録
授業分析手法では,主に教師と生徒の言語行動についての視座によるものが一般的であるが,実習を伴う授業スタイルを多くとる技術・家庭科などにおける授業では,言語行動だけでなく机間巡視行動などの空間的な教授行動も表出するので,これの分析・考察をすることが重要となってくる。しかしこれらの空間的な定量的情報は取得が困難であり,授業反省の場において指摘する際に,客観性に乏しく観察者の主観の域を脱し得ず具体性に欠けていた。本研究では,コンピュータによって,教室内における教師位置の座標と,そこで生起している活動主体を同時にとらえることで授業過程を表現できるシステムを開発し機能の検証を行った。その結果,教師の移動軌跡や活動主体との関係を可視化することが可能となり,授業反省の場に共通に認識できる資料を提示できるだけでなく,新たな授業の一側面について分析を行えることがわかった。
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© 2001 日本教科教育学会
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