日本教科教育学会誌
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大学生における生活科の認識の構造に関する探索的研究
高垣 マユミ
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2003 年 26 巻 2 号 p. 39-47

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抄録

本研究では,大学生の生活科の認識を測定する尺度を作成し,生活科の授業を受講する前の大学生151名を対象として,どのような因子構造が見られるかを検討した。分析の結果,以下の点力1明らかにされた。(1)生活科に関する学生の認識の構造は,2つの因子で説明できる。第1因子としては「生活科の学習指導上の効果」が抽出され,「日常生活に役立つ」「教師以外の関わり」等の10項目から構成される。第2因子としては「生活科の学習指導上の課題」が抽出され,「指導の困難さ」「評価の困難さ」等の6項目から構成されることが明らかにされた。(2)2因子における16項目のプロトコルを分析した結果,学生たちは,マスメディア等から獲得した間接的経験に基づいて,自分なりの生活科の知識を構築していること,「学び」のスタイルに関して,自分の小学生時代の個別の経験を一般化して意味づけようとしていることが明らかにされた。以上の結果を踏まえて,生活科教育の教授・学習方法の方向性について考察を行った。

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© 2003 日本教科教育学会
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