本稿は,全国社会科教育学会,日本社会科教育学会,社会系教科教育学会,日本教科教育学会などから近年発表された社会認識教育学関係の論文を,研究の方法論的視点から分類し,その紹介をすることにより,研究動向と展望を探るものである。その際の分類視点については,森分孝治編著『社会科教育学研究一方法論的アプローチ入門-』明治図書,1999年,を参考にした。同著によると,社会認識教育学研究は,事実研究,理論研究,史的研究,外国研究,関連研究に大別でき,さらに事実研究,理論研究は,それぞれ創造研究(づくり研究)と分析研究に分類できるという。こうした視点から論文を分類,紹介したところ,近年の社会認識教育学研究の動向として,事実研究と理論研究に分類されるものが多いという結果が得られた。今後も,引き続き事実に立脚した実証性の高い研究が求められよう。
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