2008 年 31 巻 2 号 p. 9-18
本研究は,家庭科教育において,「死に関する授業」を通して自分と家族について考える小中5ヵ年間の一貫学習プログラムの開発である。「死に関する授業」とは,「死に関する学習」と「セルフェスティーム形成の学習」とを意味する。「死に関する学習」では,三人称の死,二人称の死,一人称の死を受容していく学習教材を発達段階に応じて開発した。更に,新たな試みとして,死を受容する心を育てるスキルの習得に「セルフェスティーム形成の学習」を導入した試案を作成した。これらの学習は,子どもたちの「生きることの意味」への問いかけや,「自己実現(たましいをつくる)」に影響を与えるものと考える。