抄録
中・高等学校における英語による授業と関連のある内容言語統合型学習(Content and Language Integrated Learning)や内容重視型授業(Content-based Instruction: CBI)が注目されているが,将来の英語教員を育成する大学においては,英語使用による「英語科教育法」科目が広まっている様子は余りない。本論では,ある教員養成大学において実施したCBIによる英語科教育法に関する学習者の認識を中心に探究的な調査を報告する。この科目は,2013年度後期に,英語教育に関する基本的知識の理解と英語能力の向上を目的として,中・高等学校教員免許取得に係る必修科目の一つとして開講(n = 70)された。終了時に,6段階リカート法による質問紙(k = 39)により,このCBIに関する認識を調査し,因子・分散・回帰分析等によって分析した。英語教育に関するCBIについて,内容学習と英語能力向上に効果的と考える因子(Ⅰ),好意的な因子(Ⅱ),英語使用を実感する因子(Ⅲ)が抽出され,次の結果が示された。(a)授業成績の違いによって,3 因子すべてにおいて有意差がある,(c)英語能力の違いによって,因子Ⅱに有意差がある,(c)職業志望の違いによっては,いずれの因子にも有意差はない,(d)授業成績に寄与する因子はなく,英語能力に因子Ⅱが寄与する傾向があるのみである。