日本教科教育学会誌
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中学生の食生活に関する環境配慮行動に影響を及ぼす要因
加賀 恵子丹沢 哲郎
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2016 年 39 巻 1 号 p. 21-34

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抄録

本研究は,持続可能な社会の構築に向け環境問題解決行動のとれる人材を育成するための中学校家庭科教育への示唆を得るために,中学生の食生活に関する環境配慮行動に影響を及ぼす要因について明らかにすることを目的とした。
中学1年生に対して食と環境に関する問題解決的な学習を取り入れた授業を行った後,生徒とその保護者への質問紙調査を実施した。結果,中学生の食生活に関する環境配慮行動には,2つの因子「身近な環境配慮行動」と「地球規模の環境配慮行動」が確認された。「身近な環境配慮行動」は,男子の問題解決的な学習,男女の家庭での会話,男子の家事経験との関連が見られた。「地球規模の環境配慮行動」は,男女の問題解決的な学習,男子への母親の「地球規模の環境配慮行動」,男女の家庭での会話,男子の家事経験との関連が見られた。さらに,子どもが母親に教えている場合の会話が,母親の「地球規模の環境配慮行動」に影響を及ぼしている可能性も示唆された。

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