抄録
本研究は,バングラデシュで求められている探究的な授業像に着目して,理科授業の様相を定性的に浮彫りにすることを目的とした。授業分析の手法としては,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いた。結果,授業は【知識の育成】,【知識の確認】,【知識の定着】,【学びの支援】,【詰め込み】,【外的要因】の6つのコア・カテゴリーで構成されていた。実践的貢献として,授業の前半に観察や思考力が求められる問いかけを用いながら探究型の学習の導入を行っているものの,全体的に生徒が簡単な単語で答えられる質問が多く見られ,特に後半では詰め込み型の特徴をもった授業に移行しており,教師主体の要素が強く盛り込まれていることが明らかになった。理論的貢献として,授業分析手法としてのM-GTA は,広く引用される3つの研究における項目を包括していたのみならず,【外的要因】に関しての抽出も可能であることが明らかになった。