2021 年 60 巻 2 号 p. 94-101
目的 : 子宮頸がん集団検診における AGC 例の追跡結果を調査し, AGC 判定の意義を明らかにする.
方法 : 2011〜2016 年の子宮頸がん集団検診での AGC 判定例の組織診結果, 診断確定までの観察期間を調査した. AGC をベセスダ方式に則って EC, FN と EC, NOS や EM, NOS, 由来不明 FN と由来不明 NOS の 5 つに細分類し比較した.
成績 : AGC は 232 例で頻度は 0.05%, 細胞診異常例の 5.4%を占めた. 要治療病変は 58 例 25%にみられた. EC 群 (EC, FN+EC, NOS) 111 例では CIN3 が 3 例, 浸潤扁平上皮癌 1 例, AIS 10 例, 浸潤性頸部腺癌 7 例が確認された. EM, NOS 103 例では内膜異型増殖症 1 例, 体癌 23 例, 卵巣癌 2 例が確認された. EC 群では 6.4 月と EM の 4.5 月に比して病変検出までの期間が長かった.
結論 : AGC の判定に際しては, その由来や性状を記載することが, 患者の適切な管理のために重要である. EC や EM の記述で, 頸部や内膜の精査方法が示される. 特に EC 例では長期の経過観察が重要である.