抄録
韓国人日本語学習者の句末イントネーション「昇降調」「ゆすり調」「上昇調」「自然下降調」の自然さについて,学習者と日本語母語話者に6段階評定(1自然じゃない-6自然)を求めた。その結果,両者ともに「昇降調」「自然下降調」は自然,「ゆすり調」「上昇調」は不自然だと評価され,従来の研究で区別されなかった「昇降調」と「ゆすり調」を学習者は弁別でき,「ゆすり調」を不自然と評価できることが示された。さらに,評価基準についてインタビューを行った結果,母語話者は発話場面を考慮した評価を行うが,学習者は高さや長さなど韻律的特徴と日本語らしさ・韓国語らしさに注目し,発話場面を十分に考慮していないことから,発話場面を考慮した適切な使用を促す発音指導の必要性が示唆された。